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「高齢者講習、受けるのが面倒だな…」
「この機会に免許を返納した方がいいのかな?」
70歳以上になると、運転免許更新時に「高齢者講習」が必要になり、75歳以上では「認知機能検査」も追加されます。こうした手間や不安から、「免許更新するか、それとも返納するか」で悩む高齢者やそのご家族が非常に多くなっています。
本記事では、高齢者講習と免許返納の違い・メリット・デメリット・判断基準について詳しく解説します。自身または家族の判断の一助として、ぜひ参考にしてください。
高齢者講習とは?概要と目的を解説
まずは「高齢者講習」がどのような制度なのか、基本情報をおさらいしておきましょう。
● 対象年齢
- 満70歳以上の運転免許保有者
- 更新時に必ず受講が必要
- 75歳以上の方は「認知機能検査」も義務化
● 主な内容
- 適性検査(視力・動体視力・反応速度など)
- 座学(最新の交通ルールや高齢者の事故傾向)
- 実車運転またはシミュレーター体験
講習を受ければ基本的に修了証明書が発行され、それを持参して免許更新が可能になります。
免許返納とは?制度の特徴と社会的背景
「免許返納」とは、運転者本人が自らの意思で運転免許を手放すことをいいます。
警察署や免許センターで手続きが可能で、返納後は「運転経歴証明書」の交付を受けることもできます。これがあると、身分証明書として使えるほか、各種優遇措置(割引など)を受けられるようになります。
近年は高齢者による交通事故の報道が相次ぎ、「社会的責任」や「家族への配慮」から返納を選ぶ方も増加しています。
高齢者講習を受けて免許更新するメリット・デメリット
メリット
- 今まで通り自分で運転できる
- 通院・買い物・趣味の外出が自由
- 地域や公共交通の事情を問わず生活可能
デメリット
- 講習や認知機能検査が面倒・不安
- 高齢になるほど体力・判断力の低下リスクが増す
- 家族に心配をかけやすい
- 万一の事故時、社会的責任が重い
免許返納するメリット・デメリット
メリット
- 事故を未然に防げる
- 家族・社会に安心感を与えられる
- タクシー・バスなどの割引制度が使える
- 維持費(車検・保険・税金)を削減できる
デメリット
- 地方や車社会では移動に大きな支障が出る
- 行動範囲が限定され孤立感につながる場合も
- 急病時や緊急時の移動が不便
- 本人の「自信喪失」につながることもある
迷ったときに考えるべき3つの視点
① 運転能力の自己判断だけで決めない
「まだ運転できる」と思っていても、客観的な検査結果では危険なサインが出ていることもあります。家族の意見や医師・専門職の判断も取り入れることが重要です。
② 地域の交通インフラ
都市部であれば公共交通機関やタクシーが充実しているため返納しても影響は少ないですが、地方では生活に支障が出ることもあります。自宅からのアクセスや家族の支援体制を考慮しましょう。
③ 精神的負担と社会的責任
事故の加害者となった際、本人だけでなく家族や職場・地域にまで責任が波及する可能性があります。本人の気持ちだけでなく、社会的視点からも検討する必要があります。
講習を受けるか返納するかでよくあるパターン
状況 | 選ばれやすい選択肢 |
---|---|
75歳未満で健康・視力も良好 | 高齢者講習を受けて更新 |
都市部在住・公共交通が便利 | 免許返納を選ぶケースが多い |
地方在住で車が生活必需品 | 高齢者講習を受けて継続する傾向 |
認知機能検査で要注意と判定 | 返納または追加検査が必要に |
家族に強く返納をすすめられた | 返納を選ぶが心情的に葛藤あり |
免許返納者に使える支援制度一覧
- タクシー割引券(月数枚配布)
- バス・電車の無料または割引パス
- スーパーの送迎サービス
- 見守りGPS端末の補助
- 電動自転車・シニアカーの購入補助(地域による)
免許返納=不便という時代ではなくなりつつあります。自治体によってはかなり手厚い支援が用意されています。
家族ができるサポートとは?
家族の声がきっかけで返納を考えるケースは非常に多いです。ただし「危ないからやめろ」と命令口調で伝えると反発されることも。
以下のような言い方・提案が効果的です:
- 「最近、運転してて疲れやすくない?」
- 「買い物は一緒に行こうか?」
- 「タクシー補助券って今すごくお得らしいよ」
- 「一度相談に行ってみようか」
本人が自分で決断できるよう、寄り添う姿勢が大切です。
よくある質問(Q&A)
Q. 高齢者講習の受講を拒否したらどうなりますか?
→ 受講しないと免許更新できません。事実上の返納と同じ扱いになります。
Q. 返納後に後悔する人はいますか?
→ 一部にいます。特に地方在住者や1人暮らしの方は生活が不便になるケースもあります。
Q. 返納した後でも再取得できますか?
→ 再取得は可能ですが、学科・実技試験・適性検査が必要になり難易度が高めです。
結論|今後の生活に合わせた選択を
高齢者講習と免許返納は、どちらが正解というわけではありません。大切なのは、自分の体調や生活環境に合わせて、最も安全で安心できる方法を選ぶことです。
「まだ運転したい」なら、高齢者講習を受けて安全運転を意識し続ける。
「運転に不安がある」「家族や地域の支援がある」なら、思い切って返納する。
その選択が、本人と周囲の暮らしをより豊かにしてくれるはずです。