「定年後も仕事で運転を続けたい」「再就職先で運転が必要と言われた」
こうしたシニア世代が増える中で、「高齢者講習」の重要性がますます高まっています。
特に60代後半〜70代の方の中には、配送・送迎・営業・訪問介護など運転を伴う職種に就いている人も多く、「免許更新=仕事継続の生命線」というケースも少なくありません。
本記事では、仕事や再就職のために運転免許を維持したい高齢者の方に向けて、高齢者講習の流れ・注意点・免許更新時に起こりやすいトラブル・就業上のアドバイスを、実例を交えて詳しく解説していきます。
シニア層が運転を必要とする仕事の例
まずは、どんな仕事で高齢者の運転スキルが求められているのか、実際の職種を見ていきましょう。
職種 | 求められる運転内容 |
---|---|
介護施設の送迎スタッフ | 利用者の送迎(軽自動車・ミニバンなど) |
配送業(軽貨物・宅配便) | 荷物の配達・再配達 |
訪問営業・ルート営業 | 車での営業訪問、商品運搬 |
シニアタクシー・運転代行 | 送迎や代行運転(条件あり) |
地域ボランティアドライバー | 高齢者支援やイベント送迎 |
70歳以上でも就業機会は多く、特に人手不足の分野では「安全運転ができること」が採用条件になっている企業もあります。
高齢者講習を受けないと免許更新できない
高齢者講習は、70歳以上の方が免許更新時に必ず受けなければならない制度です。仕事を継続するには、更新手続きと高齢者講習の両方がスムーズに完了していることが前提になります。
また、75歳以上の方は「認知機能検査」も先に受ける必要があるため、更新までの流れが複雑になりがちです。
【高齢者講習と仕事の関係で起きがちなトラブル】
トラブル | 影響 |
---|---|
講習予約が取れない | 更新期限に間に合わず免許失効の可能性 |
講習を受け忘れる | 再就職に不利/会社との契約が破棄される場合も |
認知機能検査で再検査 | 就業可能かどうかが不透明に |
運転に自信がない | 配送や送迎業務に不安が残る |
高齢者講習の流れ(仕事で免許が必要な人向け)
仕事や再就職の予定がある場合は、講習を受けるタイミングや計画性が非常に重要になります。
① 通知ハガキを受け取る(更新の2〜3ヶ月前)
免許更新が近づくと、警察から「更新連絡書(ハガキ)」が届きます。ここに書かれている内容が重要です。
- 自分が受けるべき講習の種類
- 認知機能検査の要否(75歳以上)
- 推奨される教習所と連絡先
- 必要な持ち物や受講費用
② 認知機能検査を受ける(75歳以上)
記憶力・判断力を確認する検査で、30分程度で終わります。
結果に応じて講習内容が変わり、一定以上の低下が見られると「運転技能検査」が必要になります。
③ 高齢者講習を受講(70歳以上)
- 適性検査(視力・反応速度など)
- 座学(交通安全の講義)
- 実車またはシミュレーターでの運転体験
修了証をもらえれば免許更新手続きへ進めます。
「仕事の予定があるのに受講が遅れる」その原因と対策
● 原因①:予約が取れない
都市部では受講者が多く、1ヶ月以上先まで予約が埋まっていることもあります。
対策:通知ハガキが届いたら即日予約すること!
また、平日の午前中は比較的空いている場合もあります。
● 原因②:講習に遅刻して再受講に
仕事の合間に講習を入れて、渋滞や遅延で遅刻→当日受講できず、というケースも。
対策:時間には余裕をもって、前後の予定を詰めすぎないこと。
● 原因③:認知機能検査で再検査
もし結果が思わしくないと、実技試験が追加になり、就業に支障が出る可能性も。
対策:不安な方は事前に脳トレや記憶力対策をしておくと良いでしょう。
再就職で「運転免許が必要」と言われたときの対応
企業の中には、60〜70代の方を「運転業務あり」で採用したいと考えるところも増えています。
その際、「免許の有効期限が近い」「高齢者講習は受けたのか?」と聞かれることがあります。
✔ 応募前チェックリスト
- 免許証の有効期限は十分にあるか?
- 高齢者講習は完了済みか?
- 更新証明書は手元にあるか?
もし受講前なら「◯月◯日に講習予約済です」と伝えることで信頼感を得られます。
仕事で運転を続けるなら「定期的な運転練習」がカギ
年齢とともに、反応速度や視野は少しずつ変化します。安全運転を維持するためには、運転のブランクをなくすことが大切です。
- 家族と一緒に軽く運転してみる
- 空いている時間帯に教習所で「安全運転講習」を受ける
- 自己判断に頼らず、他人の視点も参考にする
企業によっては「運転適性診断」を入社前に課すこともあるので、ブランクがある方は対策しておくと安心です。
高齢者講習が終わったらすぐやるべきこと
- 修了証をもらったら、すぐ免許更新の手続きへ
- 免許証が更新されたら、仕事先や就職先に提示できるよう準備
- 業務に必要な保険や任意書類(運転経歴証明書など)も確認しておく
体験談|シニアで再就職し、運転業務に就いた方の声
「70歳を超えてからも、軽貨物の配送業で働いています。講習の内容も分かりやすかったし、体の調子さえ整えておけば運転はまだまだ大丈夫だと実感できました。いまでは週5で走っています!」
→ 就業意欲がある方にとって、高齢者講習は“関門”ではなく“通過点”。気負いすぎず、情報を集めて準備すれば乗り越えられます。
まとめ|高齢者講習は「仕事を続けるための通過儀礼」
- 高齢者講習は免許更新に必須。受けなければ就業に支障が出る
- 仕事で免許が必要な場合は、スケジュール管理と事前対策が重要
- 遅刻・再検査などで遅れると採用や契約に影響する可能性も
- 安全運転を維持するためには、定期的な練習や健康管理も必要
高齢でも「まだ働きたい」「社会とつながりたい」と思う方にとって、高齢者講習はひとつのステップに過ぎません。
安心して運転を続け、仕事もライフスタイルも無理なく続けるために、今できる準備を始めてみましょう。